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この日のニュースではそれと並んで、「3割削減」を実現した算数や理科の教科書についても話題となった。
「小学校の算数では3ケタ同士のかけ算や台形の面積を求める公式が消えた」など、内容の薄くなった教科書が学力低下をもたらすのではとの懸念を表明する記事が新聞各紙を連ねた。
教科書検定の場では、指導要領は「『絶対基準』扱いされ、その内容を超えた記述はほとんど削除や修正を求められた」。
とくに算数.数学や理科では、「新要領で限定.削除された内容に付され」「これまでコラムや欄外なら許容されてきた発展的な記述にも意見が付され、教科書会社側は大幅な修正を余儀なくされた」(『Y売新聞』2001年4月四日朝刊)という。
しかも、教科書の検定に当たった審議会の委員の間でさえ、こうした削減に疑問の声が上がった。
同日のY売の報道では、算数.数学の委員が「仲間内で『ここまで削減していいものか』と話した。
だが、指導要領の範囲内か否かをチェックするのか我々の役目だから、疑問を感じながらも1つの型にはめざるをえなかった」と話し、理科担当の委員からも「厳選検定の背景には、授業時間減を受ケタM科省の意向が強く働いた。
日本の科学の将来が心配」とのコメントが紹介された。
一方で、各紙の報道によれば、M科省は2002年春に向け、小中学校で教科書の範囲を超えた内容を教えるための教師用ガイドブクをつくることを決定したという。
「学習指導要領は全員が一律に身に付けるべき最低基準」との方針でつくられた教科書では、理解の早い生徒の「浮きこぼし」が問題になる。
こうした懸念に、教科書ではなく副教材などで対応することが求められているからである。
それにしても、こうしたM科省の動きは、なんとも奇妙である。
教科書には「最低基準」だけを載せることを許し、その一方で、「理解の早い児童生徒」への対応のしかたを教える教師用マニュアルを作る。
このちぐはぐにしか見えない教育行政の対応は、どのような背景によって生じたのか。
また、そこにはどのような問題が含まれているのか。
「最低基準」見解をめぐっての出発点は、M科省が学習指導要領を最低基準であると位置づけたことにある。
その発端は、私自身も関係した、T脇研氏(当時M部省政策課長)の発言にあった。
学力低下への懸念が表面化し始めた頃、ある雑誌での私との対談の中でT脇氏が「指導要領は全員に共通して教えるミニマム(最低線)だということです」と発言、さらには、個人的な意見ではなくM部省の見解として、だからこそ、新指導要領のもとでは「みんなが百点取れる」と明言したのである(『R座』1999年十月号、2001年に『論争.学力崩壊』に再録)。
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